士官学校大事件



「へぇー、ここが士官学校かぁ。思ってたよりもデカイなぁ」

門の前に一人の少年が立っている。
金糸のように細く美しい髪を風になびかせ、蜂蜜色の瞳を輝かせている。
今日から通うこの学校に大きな期待を持ち少年は厳めしい門をくぐった。







「おーい、エドー。ここ、教えてくんない?」

「んーどこー?」

ガヤガヤしているクラスで見知った者が知らないものに話しかけている。
あんな目立つ金髪今までいたか?

「おい、ヒューズ。あそこの金髪は、一体誰だ?」

「あん?金髪?....ああ、エドのことか。お前、そういえばエドが来たとき休んでたな。この前越してきたんだよ」

「この時期にか?」

「ああ、なんか急に親が転勤になっちまったんだとよ」

「ほう。どんな奴なんだ?ハボックと親しくしているようだが」

「イイ奴だぞ。明るくて、元気でいつも笑ってる。それに頭もいい。特に錬金術についての知識が半端ない。錬金術のルイス教授がいるだろ?あの人は国家錬金術師の資格を持ってるけど、それと互角に話し合ってたって言うぜ?今まではお前が一番を譲ったことなんてなかったが、次は、どうだろうな?」

ニヤリと人の悪そうな笑みを浮かべるヒューズは随分楽しそうだ。

「あのルイス教授と互角に錬金術の話を。それはすごいな」

「しかも体術も相当なものだ。この前の体術の実習であいつ自分の2倍ぐらいの奴を投げ飛ばしてたぜ。あれは凄かった」

「ふむ、それは興味深い。一度話してみたいな。ヒューズ、お前は知り合いなのか?」

「ああ。」

「紹介しろ」

「命令かよ。ったく、分かった、分かった。紹介させて貰いますよ」

「そうか、それでは行こう。善は急げと言うからな」

新しい刺激を予感し、自然と顔に笑みが浮かぶ。
やれやれといったふうなヒューズを連れて、金髪のもとへと向かった。




この出会いがこれからの人生を大きく変えるとは今はまだ誰も気づいていない.....









「よぅ、エド。こいつ俺のダチでロイってんだ」

「はじめまして、ロイ・マスタングだ」

「はじめまして、エドワード・ロックベルだ」

簡単に自己紹介をして握手をする。エドワードの手は白くほっそりとした綺麗な手だった。

「.......小さいな」

ポツリと言ってしまった。
彼を見ればだれもがそう思ってしまう形容詞。
けして、けっっっして言ってはならない禁句ワード。
あっと思った時にはもう遅かった。


「......どぅわぁれが、ミジンコどちびかーーーーー!!!!!」


バコーンと良い音が響く。
赤く腫れた頬をした顔が一つ。
むっすりとした顔が一つ。
くつくつと笑う眼鏡面が一つ。


初対面は、あまり好いとは言えなかった......


cotinue