充電中


「これから2週間会わねぇから」とそっけなく言う稲葉に愕然とした。
焦りを押し殺して何故かと問えば、呆れた目で見られた。

「中間テストだろ」

なるほど、そういえばそうだ。自分も今テストの作成にとりかかっているところだった。

「アンタは教師で、俺は生徒だ。それでなくても色々煩いのに、テスト中に会ってたところを見られたらさすがにマズイだろ」

だから、テスト終わるまでは会わない、と締めくくり、もう話は終わったとばかりに寝る体制に入った稲葉を無意識に抱き寄せながら、頭の中では先ほどの言葉がまるで死刑宣告のように響いていた。

2週間も触れられないなんて!
なんでテストなんてありやがるんだ!
到底教師とは思えないようなセリフを心の中で叫んだ。

稲葉は立場を考えて、そう言ってくれた。
教師と生徒としての関係だったらその判断は100点満点だが、恋人としてはなんて悲しい宣告だろうか。

一人悶々と考えていると、稲葉が胸のあたりに頭を摺り寄せて来た。

「会わないって言ったの俺だけど、やっぱ会えないのは、きっと寂しいな」

小さな声で恥ずかしそうに言う稲葉にはっとする。
寂しいと感じるのは自分だけではないのだ。
相手も同じだけ寂しい思いをするに決まっている。

だから、充電してく。

ポツリと呟いた稲葉の言葉に、理性が音を立てて崩れていく気がした。
なんて可愛いことを言ってくれるのだ。
これ以上俺の理性を試さないでほしい。
俺の理性は別に鉄壁を誇っているわけではないのだから。

まぁ役得にはかわりないので抱きしめ返しながら、2週間分を充電しあった。

あぁ、離れたくないなぁ。



END


あとがき

またしても千晶先生我慢小説!
うーむ、なんでか我慢することになってる
妖アパマジック☆←アホ